2025.05.06
湿度の高い北陸だからこその選択を
こんにちは、山口です。
ゴールデンウィーク、皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか?
連休でリフレッシュされた方も多いと思います。
さて、5月に差し掛かり、いよいよ梅雨の気配が近づいてきました。
雨が多くなるこの時期、私たちが暮らす北陸地域では「湿気」との付き合い方が、
より一層重要になってきます。
北陸は全国的に見ても湿度が高い地域ですので
年間を通じて湿気が多く、冬は雪、春から夏にかけてはジメジメとした日が続きます。
家づくりにおいてこの「湿度の高さ」は避けて通れない問題であり、
むしろ積極的に対処すべき課題だと考えています。
その中で私たちが標準仕様として採用している断熱材が「ウールブレス」です。
今回は、「なぜウールブレスなのか?」という点について、
特に北陸の気候と照らし合わせながらお話ししたいと思います。
【湿気の多い地域で断熱材に求められるもの】
断熱材と聞くと、多くの方が「夏涼しく、冬暖かくするための素材」というイメージを持たれるかと思います。
もちろんそれはそうなのですが、しかしそれ以上に重要なのが湿気との付き合い方。
特に北陸のように「高温多湿」の気候においては、断熱材が湿気をどう扱うかが、家の快適性と長寿命化に直結します。
湿気が壁体内にこもると、次のような問題が発生します
◆カビの発生
◆木材の腐食
◆結露による断熱性能の低下
◆室内空気環境の悪化(アレルギーや体調不良の原因にも)
つまり、断熱材が湿気をうまく調整してくれないと、
快適さを損なうばかりか、家自体が傷んでしまうのです。
「呼吸する断熱材」ウールブレスとは?
ウールブレスは、天然の羊毛を主成分とした断熱材です。
この断熱材の最大の特徴は、まさにこの「呼吸する」性能にあります。
ウールは湿気を吸ったり吐いたりする性質を持っており
空気中の湿度が高いときは吸収し、乾燥してくると放出する、まるで自然の調湿器のような働きをしてくれるのです。
さらにウールブレスは
□湿気を吸っても断熱性能が落ちにくい
□吸った水分を繊維内部で保持し、結露しない
□再び空気中に湿気を戻すので、壁体内に湿気がこもらない
つまり、北陸のように「湿気が多い」+「気温差がある」地域においては、
結露を防ぎながら快適な空気環境を保ってくれる理想的な断熱材です。
化学繊維系の断熱材と何が違うのか?
よく使われているグラスウールやポリスチレン系断熱材などは、
湿気に弱い傾向があり、断熱性は担保されても吸湿性がほぼないため、
湿気を逃がすことができず、壁体内にこもりやすくなります。
防湿シートなどで対処すればいいのでは?という意見もよく見かけますが
施工のわずかなミスや経年劣化で性能が落ちるリスクもありますので
果たして施工力の高さまで担保されていることを判断するのも難しいかと思います。
それに対してウールブレスは「素材自体に調湿機能がある」ので、
仮に防湿層が破れたとしても、内部環境を自然に整える力があります。
これはまさに「自然素材ならでは」の強みです。
北陸の家づくりにこそ「素材の選び方」が重要と考え試行錯誤し
日々どうしたらお客様に満足いただけるのかということを考え家づくりを提供している
ホームホームだからこそ、
この北陸の土地の特性を考えたとき、ウールブレスという断熱材が持つ自然の力が、
北陸の家づくりにおいて非常に理にかなっていると確信しています。
家は一度建てたら何十年も使うもの。
だからこそ、「今だけの快適さ」ではなく、「何十年先も快適で、健康でいられる家」にするために、
目に見えない部分にはこだわりたいと思っています。
湿気が多く、気温差も激しい北陸だからこそ。
私たちはこれからも、この土地に適した素材と工法で、より良い家づくりを追求してまいります。
今日はそんなお話でした。
山口