ローコスト住宅は本当にお得?

お得な家を建てるために4つの費用とそのコストバランスを考える

「お得な家」と聞いて、あなたはどんな家をイメージするでしょうか?

「それはローコスト住宅だ」と答える方もいるでしょう。そして、今回はそう思ったあなたにこそお伝えしたい内容です。

マイホームを建てた時点から、多くの人は長い住宅ローンの支払いが始まります。毎月の収入の中から住宅ローン、食費、水道光熱費、教育費など多岐にわたる費用を支払わなければなりません。

そんな数ある支出の中で、住宅ローンとそれ以外の生活費、あなたは全く無関係だと思っていませんか?今回取り上げる「イニシャルコスト・光熱費・医療費・修繕費」の4つの費用、実は相関関係にあるのです。

1.家の性能がその後の費用を左右する

家づくりに関するお金といえば、建物価格、土地代、諸費用などの初期費用があります。長期的に考えればリフォーム費用(修繕費)もそれに該当するでしょう。

住宅ローンで支払うのは家づくりにおけるイニシャルコスト、つまり初期費用です。初期費用を少し上乗せして長寿命の家を建てれば、その後の修繕費を抑えられるというメリットがあります。この2つの費用の相関関係は理解しやすいと思います。

では、光熱費と医療費についてはどうでしょうか?これらは、これからの家づくりを考えるうえで外せない「省エネで健康的な暮らしを実現する住宅性能」と深く関わっています。

それでは、4つの費用について掘り下げて見ていきましょう。

1-1.ローコストのコストはイニシャルコスト

坪単価が20~30万円代のローコスト住宅。もちろんメーカーによって低価格の理由はさまざまです。建物の形状をシンプルにしたり、大量の材料を一括で仕入れたり、人件費を抑えたり。

必ずしもイニシャルコストをかけた分だけ住宅性能が上がるわけではありませんし、ローコスト住宅だから性能が劣っていると一概には言えません。高い坪単価には実際の家づくりに関係ない多額の広告宣伝費が含まれていることもあれば、創意工夫により品質を維持したうえでコスト削減を実現している会社もあるでしょう。

いずれにせよ、住宅におけるイニシャルコストが安ければ、住宅ローンの支払いも抑えることができて家計も助かります。ローコスト住宅の最大の魅力は何といってもイニシャルコストの低さであり、その点においては確かにお得な家だと言えるでしょう。

ここで大切なのは、なぜその家がローコストを実現できるのか?という理由を、あなた自身がしっかりと確認して納得することです。

例えば、先ほど述べた低価格の理由で「人件費を抑えたり」という内容を挙げました。注意すべき点は「誰に対しての人件費を抑えているのか」ということです。

家づくりに携わる職人さんには、まだ経験の浅い職人さんもいれば、腕の確かなベテランの職人さんもいます。もし仮に、あなたが施工業者の立場でより安い賃金で仕事を依頼しなければならないとしたら、どちらの職人さんにお願いするでしょうか?間違いなく前者だと思います。

万が一、あなたが住むであろうローコスト住宅の安さの理由が職人さんの人件費だとしたら、大切なわが家の工事を安心して任せられますか?あなたは喜んで住宅ローンを支払い続けますか?

1-2.ランニングコストである光熱費を抑える

一年のうちで光熱費が高くなるのは冷暖房が必要な夏と冬です。特に冬場はエアコンや床暖房、北陸では室内で洗濯物を干すのが当たり前ですから除湿器を使う家もあるでしょう。

このように、暑さ寒さは家電つまり電気などのエネルギーで対応するのが今までの常識でした。

しかし、東日本大震災や地球温暖化などの問題から省エネが叫ばれ、家づくりにおいてもその考えを無視できない時代になっています。2030年には新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指すという国の方針も示されています。

省エネ住宅の実現には高い断熱性能が求められます。そして、高い断熱性能には良質な断熱材と確かな施工技術が欠かせません。さらに、室内で熱の出入りが最も多い窓の性能も重要です。

高い断熱性能を実現するためにかけたイニシャルコストは、少なからず日々の光熱費(ランニングコスト)で取り戻すことができます。そして、電気に依存しない省エネ住宅は環境にもやさしいエコハウスでもあるのです。

1-3.健康住宅で医療費削減につなげよう

近年「住環境と住む人の健康には密接な関係がある」ということが、さまざまな研究でわかってきました。

高齢者に多いヒートショックによる健康被害は、家の中での激しい温度差が原因です。また、夏場の熱中症は家の中で起こる割合がとても高いのです。重病を患った時の手術費や入院費も気になりますが、それ以前に大切な家族が健康で暮らすことが何より大切です。住環境が原因で起こる健康被害のリスクを減らすためにも、前項で触れた高い断熱性能が有効です。

また、自然素材の塗り壁の中には、室内の空気を浄化してくれるものがあります。目に見えないウイルスやアレルギー物質などの発生を抑えることで、家族みんなが健康に暮らせます。良質な塗り壁は一般的な壁紙と比べると割高になりますが、家族の健康を考えた時に価格(イニシャルコスト)最優先で仕様を判断することがベストだとは言えません。

住宅と健康の関係についてさらに知りたい方は、下記のサイトがとても参考になります。
わかりやすい!健康省エネ住宅とは(一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議)

1-4.わが家を長持ちさせるための修繕費

時間の経過に伴って家も徐々に傷んできます。建物の形状や素材、さらには施工品質によって傷みの進行度合いも変わります。イニシャルコストの箇所で触れた職人さんの技術力が低ければ、住宅の劣化も早く、結果的に修繕費が余計にかかるかもしれません。

構造部分で内部結露が起きてしまうような断熱材や施工法だと、修繕費どころか建物の寿命はすぐに尽きてしまいます。北陸での家づくりに欠かせない結露対策については、『結露を抑えて健康的で長持ちする家づくりに重要な3つのポイント』でも説明しているのでぜひご覧ください。

打ち合わせの時に、いずれ必要になるメンテナンスについても聞いてみましょう。これから建てるわが家は長寿命を考えて設計されているのか、構造部分の仕様は家族の生活をしっかりと支えてくれるのか、施工業者の考えをじっくりと伺ったうえでパートナーを選びましょう。

2.住まいの快適性を考えたコストバランス

イニシャルコストとは違い、暮らし始めての光熱費、医療費、修繕費は不確定要素の部分が多いです。しかし、エネルギー問題や家族の健康、住宅の寿命は快適な暮らしをするうえで大切なことであることは間違いありません。

もし仮に、住宅ローンが終わるまでの30年間で支払った4つの費用の合計額が同じだったら、

あなたはどちらの暮らしが快適で健康的な30年間だと思いますか?

あなたにとって、一緒に暮らす家族にとって最適なコストバランスを考えることは、決して無意味なことではないと思います。

最後に

「お得な家」と聞いて、あなたはどんな家をイメージするでしょうか?

「それはローコスト住宅だ」と答える方もいるでしょう。そして、それも正解の1つだと思います。忘れてほしくないのは、あなたが建てる住宅は住宅ローン以外の費用にも影響を与えるということ。

いろいろな可能性の中から、あなたが一番お得だと感じる家づくりを見つけてください。

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